平面直角座標系

ガウス・クリューゲル図法は地球を回転楕円体とした横メルカトル図法(この図法は正角図法です)で、中央子午線は投影面上で直線となり、かつその長さが正しく表されます。しかし、中央子午線から東西に離れるに従って平面距離の歪みは増大します。わが国で使われているガウス・クリューゲル図法に基づく座標系には、平面直角座標系とUTM座標系があります。

平面直角座標系では、日本を19座標系(第I系~第XIX系)に区分し、それぞれの範囲をガウス・クリューゲル図法で投影します。座標系の中央子午線上の縮尺係数を0.9999とし、中央子午線から東西に約90kmのところで縮尺が1.0000となるように設計されています。このため、1つの座標系内(中央子午線から東西130km以内)において、縮尺誤差は1/10,000以内に収まります。19座標系の原点の経緯度および適用範囲は、2015年10月現在では、平成14年の国土交通省告示第9号で定められたものが用いられています。原則として府県は同一座標系となります。第I系は長崎県と鹿児島県の一部を適用範囲とし、順次北東方向に進み、北海道は第XI系~第XIII系が適用されます。第XV系~第XVII系は沖縄県に適用されます。東京都では、小笠原村を除く地域は第IX系、沖ノ鳥島と南鳥島を除いた小笠原村は第XIV系、沖ノ鳥島は第XVIII系、南鳥島は第XIX系と、4つの座標系が用いられています。座標系の原点において、X座標、Y座標ともに0であり、X座標は北が正、Y座標は東が正としています。現在用いられている平面直角座標系は世界測地系(測地成果2011)に基づいた座標系です。

(2015年11月18日 初稿)

English

Japanese plane rectangular coordinate system

定義

平面直角座標系は、ガウス・クリューゲル(Gauss-Krüger)図法によって平面に投影された座標系です。日本における大縮尺測量地図のための座標系であり、1952年の国土調査法(1951年制定)施行令公布以来用いられています。現在では、国土地理院の国土基本図をはじめ、公共測量図のほとんどの地図はこの座標系を基準としており、1/2,500地形図,1/5,000地形図などは、この座標系に基づいて作成されています。