ガウス・クリューゲル図法は地球を回転楕円体とした横メルカトル図法(この図法は正角図法です)で、中央子午線は投影面上で直線となり、かつその長さが正しく表されます。しかし、中央子午線から東西に離れるに従って平面距離の歪みは増大します。わが国で使われているガウス・クリューゲル図法に基づく座標系には、UTM座標系と平面直角座標系があります。
UTM座標系では、経度差6°の経度帯を1つの座標系とし、ゾーンと呼びます。西経180°~174°をゾーン1とし、左回りにゾーンを区切っていき、東経174°~180°をゾーン60とします。日本をカバーする座標系は、ゾーン51(中央子午線は東経123°)~ゾーン56(中央子午線は東経153°)です。なお、南北方向の適用範囲は、南緯80°から北緯84°までです。
座標系の中央子午線上の縮尺係数を0.9996とし、中央子午線から東西に約180kmのところで縮尺が1.0000となるように設計されています。このため、1つの座標系内(6°の経度差内)において、縮尺誤差は4/10,000以内に収まります。中央子午線と赤道との交点を座標系の原点とし、X座標は東に向かって増加し、Y座標は北に向かって増加します。原点のX座標は500,000m、Y座標は、北半球では0、南半球では10,000,000mとします。これにより、1つの座標系内でのX座標、Y座標の値が負の値となることはありません。
(2015年11月16日 初稿)
(2021年09月10日 改訂)