「オンサイト浄化」には、大きく分けて「オンサイト処理」と「原位置浄化」の2種類があり、ここでは「オンサイト処理」と「原位置浄化」それぞれについて解説します。
「オンサイト処理」:
現地に汚染土壌処理設備を持込み、サイト内で掘削した汚染土壌を現地で処理設備により浄化することをいいます。汚染土壌の処理方法には、洗浄・加熱・抽出などがあり、汚染物質の種類や土質などから最適な方法を選択します。
メリットとしては、汚染土壌をサイト外へ搬出する必要がないため汚染の拡散リスクが少ないほか、浄化後の処理土はそのまま現地に埋め戻す等の再利用が可能なことが挙げられます。
一方、デメリットとしては、大型のプラントを現地に持ち込む必要があるため、処理土量のまとまった大規模なサイトでなければ費用面から適用が困難です。
「原位置浄化」:
汚染土壌の掘削を行うことなくその場で浄化する手法のことをいいます。浄化手法には化学分解や生物分解、土壌ガス吸引などがあり、汚染状況や土質により最適な手法を選択します。
メリットとしては、掘削を伴わないため一般的に経済的負担や環境負荷が小さいほか、操業中の工場建屋内などにおいても適用が可能です。
一方、デメリットとしては、不均質な地盤内で汚染物質の分離・分解を伴う技術であるため、掘削除去と比べ不確実性が高く浄化完了までに長期間を要する場合もあります。このため、近年では従来の原位置浄化技術に「電気発熱法」などのハイブリッド浄化技術を組み合わせ、浄化の確実性を上げる手法も開発されています。
(2017年9月22日 初稿)