編集は、図化の次に行なう作業工程です。一般に図化で使用する図化機は高価であるため、編集で作成が可能な地物は編集の工程でデータを作成します。現在のデジタル地図の編集では「データの入力作業」「地図を見やすくする作業」「GISで利用しやすい地図データにする作業」の3つの作業を行うことが一般的です。
データの入力では、図化で作成しない「行政界」「注記」の2つを主に作成します。それぞれ原典資料となるものを収集して図形編集装置で入力を行います。インターネットで見ることができるような地図は、必ずしも正確とは言えないので通常は参考にしません。注記については、現地で目視で調査された情報等により入力を行います。
地図を見やすくする作業では、様々な施設が混雑して見づらい箇所で不要な地物や地形を取捨選択したり、お互いの施設が見やすいように位置を調整する作業を行います。位置の調整は、地形や地物の重要度をそれぞれ確認し、重要度の低いものから順に移動します。
GISで利用しやすい地図データにする作業では、道路や河川のネットワークを調べたり、建物や土地の面積が簡単に計算できるようなデータになるように加工します。目視確認だけではデータの完成度を満足させることができないので、コンピュータプログラムによりそのデータの完成度を高める処理が行われます。
編集は、国土地理院が定めた作業規程と標準図式に従って行なうことが一般的であり、定められた精度を逸脱して地物を移動したり削除したりすることはできません。
(2015年11月18日 初稿)