道路の予備・詳細設計

道路は、人の移動や物資の輸送に必要な社会資本であり社会・経済の発展に大きな役割を果たし、また電線、ガス、上・下水道などを収容する空間の役割も担います。道路は、起点から終点まで非常に長い施設です。そのため、まず位置(ルート)を決めて、次に詳細な情報に基づいて段階的に設計する必要があります。
構想段階では、都市と都市を結ぶ道路の必要性を調査します。次に実施される道路予備設計は、ルートの位置を決定します。この段階では、避けなければならない公共施設や文化財などが明確になり、それらを考慮のうえ、縮尺1/1,000程度の地形図を用いて適切なルートを複数比較しながら設定していきます。道路利用者の安全や走行性とともに地域や住民への影響、環境や自然への影響などの指標から最も優れたルートを決定します。

道路詳細設計は、予備設計で定められた基本的な構造について、さらに詳細な地形や地質情報、既存の家屋や土地利用との関係、水の流れなどを考えながら設計を進め、工事費を求めるための設計図や各種数量を作成します。道路詳細設計の成果は、工事費の算定に使われるとともに、工事の際の設計図としても活用されます。

このように、道路の予備・詳細設計は、各事業段階で明確な目的があり、それらを確実に実施し次の事業段階へ引き継ぐことで、安全・安心な道路を提供することが可能となります。

(2015年11月18日 初稿)

English

Road preliminary design、Road detailed design

定義

道路予備設計は、道路の通過位置を地形・地質や土地利用の状況を考えながら選び、複数候補の中から走行性、安全性、経済性などの視点から最も優れた位置を決定します。道路詳細設計は、道路予備設計で決定された基本的な構造について、道路工事を実施するために必要な詳細構造を経済性などの観点から決定することです。