常に様々な自然現象が人々の生活に深く関連し、自然現象が人々の生活に許容以上の影響を及ぼすと「災害」となります。旧来より人々はその叡智により、災害に備え、克服し、繁栄してきました。それでも自然は時に「予想外(想定外)」の大きな影響を、人々に与えます。近年は、地球温暖化に見られるように、人々の活動が自然現象に影響を与え、海面上昇や台風の大型化、日本の亜熱帯化など、災害の拡大要因になることも懸念されるようになっています。また、最近の集中豪雨・高潮・地震災害などでも明らかなように、都市化や地下空間の利用、危険物の集中は、ライフライン障害などの複合災害・二次災害を引き起こしやすく、その経済的影響は格段に大きくなっています。
このように、人々の生活・経済活動に対して不可欠な「防災」の問題に対し、航空写真判読から始まった様々な地理空間情報技術を活用することで、防災のソリューションを提供できます。
近年GISTに代表される地理空間情報技術の進歩により、地図の目的は「見る」ことから、「情報」の管理、分析ができるようになりました。
最新の地理空間情報技術を活用し、災害の状況を把握すること、危険性を把握すること、災害の程度を予測すること、対策を検討することは常に現場と地図上とで行われてきました。この様々な検討が表示された地図が共有化され、「だれもが」、「いつでも」、「どこでも」利活用できるようになっています。