マイクロ波リモートセンシング

マイクロ波リモートセンシングで用いられる電波は、ミリメートル波(波長1~10mm。周波数30~300GHz)、センチメートル波(波長1~10cm。周波数3~30GHz)、デシメートル波(波長0.1~1m。周波数0.3~3GHz)で、電波全体のほんの一部分です。

この波長域では、物体からの放射は少なくなるため、物体からの放射量を観測する受動型センサだけでなく、センサ自身がマイクロ波を照射し、対象物で散乱されて戻ってくる電波を観測する能動型センサも用いられています。受動型センサは、熱赤外リモートセンシングと同様に、物体の出す放射量を測定するもので、マイクロ波放射計がその代表例です。能動型センサは、センサが照射する電波の対象物による後方散乱成分を測定するもので、合成開ロレーダ(SAR)やマイクロ波散乱計、レーダ高度計などがあります。

可視光や赤外線とは異なり、マイクロ波は雲をほとんど透過するため、マイクロ波リモートセンシングは天候に左右されることなく、地球表面を観測することができます。解像力は、波長が長いため、可視光ほどのものは期待できませんが、合成開口方式などによって改善することができます。

マイクロ波リモートセンシングの利用分野は、海面水温、海上風、波向、塩分濃度、海面形状、海氷など海洋状態の調査、水蒸気量、雲水量、降水強度、大気温度など大気状態の調査、土壌水分の測定や鉱物資源探査、熱帯雨林などでほとんど晴天が期待できない地域の地形計測など、幅広いものです。

(2015年11月18日 初稿)

English

Microwave remote sensing

定義

対象物から反射または放射される電磁波を利用するリモートセンシングは、利用する電磁波の波長帯域により、可視・反射赤外リモートセンシング、熱赤外リモートセンシング、マイクロ波リモートセンシングの3種類に分けることができます。マイクロ波リモートセンシングは、波長がほぼ1mm~1mのマイクロ波と呼ばれる電磁波(電波)を用いるもので、可視・赤外リモートセンシングでは観測困難な物理量(たとえば、海上風や波向など)を観測することができます。