マイクロ波リモートセンシング

マイクロ波リモートセンシングに用いられるセンサには、受動型センサと能動型センサがあります。
受動型センサは物体が放射するマイクロ波を観測するもので、マイクロ波放射計がその代表的な利用例です。
能動型センサはセンサ自身がマイクロ波を物体に向けて照射し、戻ってくるマイクロ波を観測するもので、後述する合成開ロレーダがその代表的な利用例です。

可視光や赤外線とは異なり、マイクロ波は雲をほとんど透過するため、マイクロ波リモートセンシングでは、人工衛星などから、天候や時間帯に影響されずに、地上や海上を観測できることが特長です。
しかし、マイクロ波は可視光に比べると波長が長く、十分な解像度を得るには、巨大なアンテナが必要になります。そこで、小さなアンテナでも解像度を高められる合成開口方式を採用した合成開ロレーダ(SAR)が用いられています。

天候や時間帯に影響されない特性は、種々のモニタリングに役だてられています。
例えば、陸域では、都市、農地、森林などの面的な変化や地盤沈下の推移を調べることができ、海域では、船舶や海氷の位置を監視することができます。

また、気象災害の発生時には、天候や時間帯に関わらず、浸水や斜面崩壊の広がりなどを把握できるため、活用場面が増えています。

(2022年02月09日 更新)
(2015年11月18日 初稿)

English

Microwave remote sensing

定義

マイクロ波リモートセンシングとは、波長が1mm~1mのマイクロ波と呼ばれる電波を用いることで、可視光や赤外線では調査困難な物理量を遠隔地から観測するものです。