SLAM(スラム)

SLAM(スラム)とは、Simultaneous Localization and Mappingの頭文字をとった略称です。レーザスキャナやカメラやなどのセンサで取得したデータを使って、現在地を把握しつつ、環境地図の作成を行います。カメラを使ったものはVisual SLAM、レーザスキャナを使ったものはレーザSLAMと呼ばれることもあります。またこの他にも、Wi-Fiや音波を使ったものなど、様々なSLAMがあります。
レーザSLAMの原理は以下の通りです。レーザスキャナで計測されたデータは、無数の点(点群データと言います)となります。別々のシーン、例えばスキャナの位置が変わっていく中で計測したデータは、計測範囲は異なりますが、同じものを計測した箇所では似たような形状・特徴になります。そのためこれらの位置が合うように点群データを幾何学的変換することで、別々のシーンの点群データを統合することができます。また、スキャナと点群データの位置関係がわかっているので、この過程で現在位置も計算できます。Visual SLAMの原理も基本的に同様ですが、レーザによる計測点の代わりに、写真上の特徴的な点を使用します。一般的にレーザスキャナよりもカメラの方が安価なため、コストを抑えられる利点があります。
SLAMはロボットの自律移動や自動運転で広く使われています。また近年では、SLAMの機能が搭載された測量機材、ドローンもあります。SLAMは未だ発展途上の技術であることから、将来的にはさらなる活用用途の広がりが期待されます。

(2023年5月18日 初稿)

English

SLAM (Simultaneous Localization and Mapping)

定義

SLAMは、レーザスキャナやカメラなどのセンサを使って、現在地の把握と周辺環境地図の作成を同時に行う技術の総称です。