流木対策

流木は山地斜面や河道沿いの樹木が斜面崩壊・渓岸侵食等により倒木となり、土石流や洪水流に伴って下流河道に流出したものをいいます。流木は家屋等への直撃による破壊、橋梁の橋脚間の閉塞による洪水氾濫の助長、ダム貯水池への流入による発電・利水機能の阻害等の災害を引き起こします。
 流木対策は、こうした流木災害から、国民の生命・財産、公共施設等を守るために、国や都道府県等によって実施される対策です。流木捕捉施設の設置により流木を直接捕捉する対策や、流木の発生源となるおそれのある河道沿いの樹木を予め伐採(間伐)するなどの対策があります。
 流木捕捉施設には、開口部(スリット)を有する堰堤(流木捕捉工、流木止め)や貯木池等があります。国土交通省では対策施設の計画・設計を行う上で必要となる技術的事項を「砂防基本計画策定指針(土石流・流木対策編)」、「土石流・流木対策設計技術指針」として平成19年3月にとりまとめて公表しています。平成28年4月には一部改定がなされています。また、ダム貯水池では網場を設置し捕捉しています。
 一方、流木の発生自体を抑制するため、発生源となるおそれのある河道沿いの樹木を予め伐採(間伐)するなどの予防的措置を講じる場合があります。

(2016年10月17日 初稿)

English

driftwood countermeasures、driftwood control

定義

流木対策は、土石流や洪水流に伴って流出する倒木等(流木)による災害から、国民の生命・財産、公共施設等を守るために、国や都道府県等によって実施される対策です。流木捕捉施設の設置により流木を直接捕捉する対策や、流木の発生源となるおそれのある河道沿いの樹木を予め伐採(間伐)するなどの対策があります。