海洋エネルギー

海洋エネルギー利用としては、波の運動を利用する波力発電、潮流・海流といった海水の流れを利用する潮流発電、海の干満の差で得られる位置エネルギーを利用する潮汐力発電、海の表層と深層の温度差を利用する海洋温度差発電といったものが挙げられます。

四方を海に囲まれた我が国にとっては、海洋エネルギーの活用可能性は高いといえます。海洋エネルギーは、石油の代替エネルギーとして、地球温暖化防止やエネルギーセキュリティ確保といった我が国全体の課題解決に寄与するだけでなく、電力系統が本土と連系していない離島における電源としての利用も期待されています。

一方、自然の影響を大きく受けるために発電が不安定化するおそれがあること、未確立な技術があり実用化へはステップが必要なこと、海域に設置されるためにメンテナンスが難しく導入とメンテナンスのコストが高くなること、発電電力を陸上の電力系統に接続するための送電インフラ整備など、解決すべき多くの課題があります。

また、海洋生物への影響が懸念されること及びそのことによる環境面での配慮や漁業等既存事業者との調整も必要となります。

このように様々な課題がありますが、海洋エネルギーは世界的にも利用可能性が高いため、我が国の厳しい気象・海象条件を乗り越えられる技術とシステムを開発し、それらを我が国のみならず他の海洋国へも展開することが望まれます。

参考文献
・NEDO「再生可能エネルギー技術白書 第2版」
・NEDO「海洋エネルギーポテンシャルの把握に関わる業務(2010年)」

(2015年11月18日 初稿)

English

Marine energy

定義

海洋エネルギーとは、波力、潮力、海流及び海洋温度差等、海が持つエネルギーを利用して発電する取組みで、現在、実用化に向け技術開発が進められています。四方を海で囲まれた日本は、海洋エネルギーの大きなポテンシャルを持っていますが、現在、利活用技術の多くは開発途上です。化石燃料の資源に乏しい我が国における重要性は高く、国をはじめ地方公共団体等においても様々な技術開発・技術実証が行われています。