波力発電

波力発電とは、波の運動エネルギーから発電するシステムです。主な3つの発電方法について解説します。「振動水中型」は、発電装置の中にある空気室に海水が流れ込み、海面の上下運動によって空気が押し出されて風となり、タービン(原動機)を回転させて発電します(図1参照)。「可動物体型」は、タービンを用いずに波エネルギーを振り子の運動エネルギーに変換し、油圧モーターを回転させて発電します(図2参照)。「越波型」は、波を貯水池などに越波させて貯留し、貯水面と海面との高低差を利用して海に排水する際に、タービンを回転させて発電します(図3参照)。
波力発電のメリットは、資源が枯渇しない事に加えて、発電効率が高く、発電供給の安定性にあります。すなわち、空気より比重が高い水の運動エネルギーを利用するため、太陽光や風力のエネルギーよりも発電効率が高く、昼夜問わず安定したエネルギーを確保できます。
一方、実用化に向けては、発電システムの建設費や維持費の低減、台風による大波や津波など災害に対する安全性の確保、漁業・船舶航行・マリンレジャーなどとの海域共同利用に関する研究開発や実証試験、そして地域住民の理解や協力に向けた活動が必要となります。なお、海域では、波力発電以外に、潮汐の干満差、海流などを利用した海洋エネルギー発電の研究もされています。

図1 振動水柱型波力発電

図2 可動物体型波力発電

図3 越波型波力発電

参考文献
・NEDO 再生可能エネルギー技術白書 第2版,社独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構[編],2014年2月
・海洋再生エネルギーの市場展望と開発動向, 【監修】東京大学 木下健,2011年3月
・波浪発電,(1979,生産研究31 巻11 号),前田久明・木下健
・日本周辺における波パワーの特性と波力発電,(1989,港湾技術研究資料No.654),高橋重雄
・トコトンやさしい再生可能エネルギーの本,【監修】太田健一郎,2012年8月

(2016年11月09日 初稿)

English

Wave Power

定義

再生可能エネルギーは、資源が枯渇せず繰り返し使うことができ、発電時や熱利用時に地球温暖化の原因となる二酸化炭素をほとんど排出しないエネルギーです。代表的なものとして、太陽光、風力、水力、地熱、太陽熱、バイオマスなどがあげられます。波力発電は、波のエネルギーを活用したものであり、海に囲まれた日本では、今後の電力供給に大きく貢献することが期待されています。