土壌雨量指数

土壌雨量指数は、気象庁における土砂災害の発生予測に有効な大雨予警報技術の検討において、開発された指標です。土砂災害の発生においては、現在降っている雨だけではなく、直近の雨(先行降雨)が土壌中に浸透した分(土壌水分量)が多いほど危険性が高く、また、雨が終わった直後も危険性が高いことが経験的に知られています。土砂災害の発生を精度よく予測するためには、先行降雨による影響、すなわち土中水分量の状態を表す指標が必要とされたことが土壌雨量指数の開発につながりました。
土壌雨量指数は、タンクモデルを用いて降った雨が土壌中に浸透した分を数値化し、地盤の緩みを定量的に把握できることが大きな特徴です。土壌雨量指数は日本全土を面的にカバーする格子ごとに、実況値と6時間後までの予測値が算出されます(格子間隔は南北3分、東西3.45分、計算時刻は毎時00分と30分(2017年8月時点))。
この土壌雨量指数が、わが国における土砂災害への警戒対応に大いに活用されています。土砂災害警戒情報の発表基準には他の指標(60分間積算雨量等)との組合せで用いられています。また、大雨注意報・警報(土砂災害)の発表基準には土壌雨量指数が単独で用いられています。なお、気象庁によると、土壌雨量指数は、比較的表層の地中をモデル化したものであるため、深層崩壊や大規模な地すべりといった地下深くの基岩まで及ぶ現象は対象外としているので注意が必要です。

参考文献
気象庁HP
岡田憲治・牧原康隆・新保明彦・永田和彦・国次雅司・斉藤清(2001):土壌雨量指数,天気,Vol48,No5

(2017年10月4日 初稿)

English

Soil water index

定義

気象庁において、土砂災害の発生予測を目的として開発された指標で、降った雨(先行降雨を含む)が土壌中にどれだけ溜まっているかをタンクモデルの手法を用いて数値化したものです。土壌雨量指数はわが国における土砂災害への警戒対応に活用されており、土砂災害警戒情報や大雨注意報・警報(土砂災害)の発表基準に用いられています。