地震は、地下の岩盤が圧力等を受け破壊されることによって生じます。岩盤の破壊方向やエネルギーの大きさなどの条件によってどのような地震動が生ずるかを予測するのが地震発生のシミュレーションです。
地震は、地中を震動として伝わり、地表面に到達し、人の感じる揺れになり、建物や社会施設を揺らし被害を発生させます。この伝わる震動を地震波といい、震源から遠くまで伝えられる間に地震波は小さくなり、固い岩盤から比較的やわらかい表層地盤に伝えられると振幅の大きい地震波に変化します。この地震波の変化を予測するのが地震波(あるいは地震動)伝播シミュレーションで、特に表層地盤での地震動の増幅を予測する方法を地盤の地震応答解析といいます。
地表面に到達した地震波は、液状化を発生させたり、建物などを振動させたりして多くの被害を発生させます。建物の振動を計算する方法を建物の振動応答解析といいます。建物の被害のほか、上水道などのライフライン施設や交通機関などの被害を予測することを地震被害予測シミュレーションといいます。
これらのシミュレーションは、建築物の構造設計等における検討のために行われたり、自治体における地震被害予測で使用されたりします。さらに、イメージ映像などをつくって地震時の被災や混乱などの状況等を動画としてみせることによって啓発資料とするものもあります。
(2015年11月18日 初稿)