我が国において太陽光発電等のRE(再生可能エネルギー)発電事業で実際に活用されている市民参加型の事業スキームとしては、市民共同発電モデルが多い事例で、発電所の全部又は一部を市民が共同して設置し、事業を実施するというモデル全般を指します。
資金調達に関する市民の関わり方については、例えば地域において設立された事業主体(ファンド等)が市民からの出資や金融機関融資等を活用して施設を設置し、一定期間の売電収入で出資の配当、融資の償還を行う場合があります。
また、発電事業に対する寄付金を募る方法や、基金を設立し希望者から毎月の電気料金に数パーセント上乗せした方法等もあり、還元方法としても、出資の配当という形だけでなく、配当金の代わりに地域の特産品を提供する事例もあります。
自治体が設置する市営の発電施設では、その建設資金として市民を対象としたミニ公募債を発行して資金調達を行い、また、必要に応じて協賛企業を募り、発電所の運営資金に充てる事業スキーム(寄付・公募債モデル)があります。
資金供給元として市民を想定するのは、市民共同発電モデルと同様ですが、寄付・公募債モデルでは、発電事業及び資金調達の主体は民間ではなく自治体となります。
市民参加型の事業は、参加者はもちろんのこと、発電所を社会科見学会の場所として利用したり、発電状況を現場やホームページ上で公開する等で市民全体の環境意識啓蒙にもつながります。
(2014年12月04日 初稿)