地区計画は、地区の特性にふさわしいまちづくりを進めるため、昭和55年に創設された都市計画制度です。地区計画は、地区の名称、位置及び区域のほかに、地区整備の「目標及び方針」、具体なまちづくりの計画となる「地区整備計画」から構成されます。地区整備計画では、道路や公園といった地区施設の配置や規模を定めることができるとともに、建ペイ率や敷地の規模、建物の高さや意匠などの土地利用や建物利用のルールが地区の特性に応じて定めることができ、これらを一般型の地区計画と言います。
一方で、木造家屋が密集し建て込んだ市街地や、商業業務系施設などの地価負担力が高い土地に住宅付置の義務を要する場合などの特別な事情をもつような市街地では、一般型の地区計画とは別に、誘導容積型、容積適正配分型、高度利用型、用途別容積型、街並み誘導型などの地区計画を決定することができます。
このように地区の特性に応じて決め細かくまちづくりのルールが定められる地区計画は、個人の私権に大きく影響を及ぼすため、地権者の合意が必要とされます。
また、まちづくりのルールとして地区整備計画で定められた事項は、建築確認や開発許可の条件になります。
地区計画はまちづくりに関するきめ細かな実現手法であるため、創設当初は線引き都市計画区域に限り指定できるものでしたが、その後法改正により、現在では非線引き都市計画区域においても地区計画の決定が可能となりました。
(2015年11月18日 初稿)