地歴調査では、①対象地における過去から現在までの土地利用の状況、②対象地において法に定められる特定有害物質を取り扱った履歴があるか、③現に土壌・地下水汚染が発生している土地であるか、主にこのような情報を収集します。
①は、空中写真や地形図、住宅地図といった一般公表資料を収集し、土地利用の状況を把握します。空中写真は戦後米軍が撮影した1940年代後半から、地形図は1900年頃から、住宅地図は1960年代前半から現在まで定期的に撮影・作成されています。
②③は、事業者への依頼や行政機関への確認により、これらに係る私的資料や公的届出資料を収集します。その後、これらの情報を踏まえ、事業者を対象とした聴取調査及び現地調査を実施します。収集した情報により、特定有害物質をどこで(場所)・どのように(用途や使用・保管方法)取り扱っているのかといった情報や調査時点での土壌・地下水汚染の可能性の有無等を把握します。
地歴調査では、このような情報を把握することにより、対象地で取り扱われていた特定有害物質の種類を確定し、土壌汚染発生の可能性の有無を評価します。
たとえば、かつて山林であったが宅地化され、現在はA機械工業㈱B工場として利用されている土地において、六価クロム化合物を含む薬品による金属部品の鍍金が行われています。このような場合、六価クロム化合物による土壌汚染が発生している可能性がある土地と評価します。
(2017年11月15日 初稿)