想定最大規模降雨とは、1,000年に1回(年超過確率1/1,000と言う)程度の大雨のことです。河川堤防等の整備では、大河川でも200年に1回程度の大雨を計画の規模としていますから、この雨はそれを大きく上回ります。2011年の東日本大震災では、巨大津波によって甚大な被害がもたらされ、これが想定最大規模の自然現象を防災対策の対象とするきっかけになりました。近年では気候変動に伴い、集中豪雨の頻発やスーパー台風が懸念されています。そのため、洪水対策では想定最大規模降雨を考慮するようになりました。
想定最大規模降雨は、地域や対象面積によって特性が異なります。例えば、想定最大規模降雨の降雨量は、北日本よりも西日本(太平洋側)で多くなる傾向があります。また、極端に大きな降雨現象が集中する面積は限られるので、対象面積が狭いほど降雨量は大きくなります。
想定最大規模降雨で河川の氾濫により浸水が想定される区域は、洪水浸水想定区域図として順次公表されており、国や都道府県などのホームページで確認することができます。国が管理する河川については、平成28年5月以降、一部河川から公表されており、県などが管理する河川についても、検討や公表が進められています。自宅や勤務先でどのような浸水被害が想定されるか事前に確認し、災害発生時に適切な行動や避難が出来るよう、日頃から意識していくことが大切です。
参考文献
国土交通省 水管理・国土保全局(2015):浸水想定(洪水、内水)の作成等のための想定最大外力の設定手法.
(2020年11月02日 更新)
(2016年10月26日 初稿)