パターン認識や関数推定等の問題を解くために人間の脳の大量・複雑なニューロンネットワークを数理的にモデル化したものです。ニューロンネットワークとはニューロン間の信号伝達のことをいい、具体的には、一つのニューロンには複数のニューロンからの入力信号が伝達され、ニューロンで一定以上の電位が発生した時に、次のニューロンへ信号を伝達します。このニューロン間の強度や活動電位の発生が数式化されています。活動電位の発生は一般に非線形関数で近似されます。ニューロン間の強度をバックプロパゲーションという誤差逆伝播法を用いて最適化するのも、ニューラルネットワークの特徴といえます。
ニューラルネットワークには様々な種類があります。問題の答えがあらかじめ与えられていて、その答えとインプットデータの関係からモデルを推定する教師つき学習、インプットデータだけを与え、データの次元を圧縮する教師なし学習、環境(インプット)と報酬(行動に対する対価)から問題を解く強化学習など、多くの問題に応用できます。
ニューラルネットワークは衛星写真から植生を分類するといった画像分類や、手書き文字のノイズ除去、人の行動のモデル化、など幅広く利用されています。
(2016年10月19日 初稿)