除雪とは、主に積雪地において円滑な社会活動を行うために雪や氷を除くことです。例えば、自宅の前に積もった雪を除いて家に出入りできるようにすることや、道路に積もった雪を路肩に寄せて車が通行できるようにすることです。特に道路は、救急車や消防車のような緊急車両が通行するので、雪が積もって通れない状況は避けなければなりません。また、道路法では、除雪は道路管理者の義務として明示されています。
このように、道路の除雪は重要です。道路の除雪で難しいところは、いつ・どこで・どれくらいの雪が降るかを予測し、除雪コースや出動タイミングを決めることです。深夜の大雪の場合、出動タイミングが遅れると除雪作業が通勤・通学時間帯にかかり、渋滞を引き起こす可能性があります。逆にタイミングが早いと降雪前の道路を除雪することとなり効率が悪くなります。このような課題への対応として、除雪支援システムの活用が考えられます。
除雪支援システムの主な機能には、以下の3つが挙げられます。
(1)除雪車にGPSと通信機能をつけ、位置情報等をサーバに集約
(2)除雪車情報を地図上でリアルタイムに表示
(3)データベースに除雪車情報を蓄積し、過去の位置や作業情報を確認
この機能により、過去の降雪状況と除雪車情報を地図上に重ねることで、より効率的な除雪コースや出動タイミング等を分析でき、リアルタイムの除雪車情報を活用して臨機応変に除雪作業ができるようになります。
参考文献
高本敏志 他（2016年）：除雪機械の作業効率化を図るマネジメント技術．寒地土木技術研究，第763号：11-20
（2017年9月15日 初稿）