調査方法としては、船舶(漁船や船外機船など)にシングルビーム測深機の送受波器、GPSを取り付けて航行する(図1参照)ことにより、連続した水深(水底地形)を計測します。計測結果は、専用の記録紙に記録され、熟練の技術者が、送受波器の設置位置、潮汐や水位の補正、海中の音速度の変化などの補正を行い解析し、水深データを取得します。
従来のアナログ(記録紙)方式では、測量作業中における記録確認やノイズの判別が容易であるといったメリットがありますが、最近では、デジタルデータとしてパソコンに集積するデジタル方式が多くなっています。デジタル方式のメリットは、測深機で発振・受信させたデータを瞬時に水深値として利用可能にした点であり、技術者が記録紙より1地点ずつ読み取っていたアナログ方式に比べて、作業の効率化やデータの高密度化が図られました。
近年、シングルビーム測深機は、水深を面的に計測できるナローマルチビーム(NMB)測深機の普及により、活躍の場は減ってきていますが、ノイズと水底面の判別が困難な海域(海藻が繁茂している箇所:図2参照)、NMB測深機を装備した作業船が進入できない浅海域などで有効活用されています。
(2015年11月18日 初稿)