物質が資源採取から廃棄へと直線的に流れる「線形経済(リニアエコノミー)」に代わる考え方として提唱されているのが、「循環経済(サーキュラーエコノミー)」です。循環経済では、いったん採取した資源は製造、使用、消費ののちに再び資源として活用することにより物質を循環させ、資源の採取と物質の廃棄をともに最小化することを目指しています。
日本ではこれまでも、リデュース、リユース、リサイクルの3Rをキーワードに循環型社会に向けた取り組みが行われてきました。循環経済は、より少ない資源で生産しより長く製品を使用するなど、さらに積極的にあらゆる段階での資源効率を向上させながら経済活動の活性化をも追及します。循環経済への志向は世界的な潮流でもあり、循環経済に対応した製品やサービスの創出は高い付加価値を生む経済成長の鍵であるとも言えます。
こうした理解の下、日本政府も「循環経済ビジョン2020」の策定や官民連携による「循環経済パートナーシップ」の発足など循環経済の実現に向け舵を切っています。2024年8月に閣議決定された「第五次循環型社会形成推進基本計画」では循環経済を国家戦略に明確に位置付け、同年末には「循環経済への移行加速化パッケージ」がとりまとめられました。循環経済への移行は、気候変動や生物多様性の保全といった環境面の課題への対応、地方創生、産業経済力の強化、経済安全保障の強化など、多面的な効果をもたらすものと期待されています。
(2025年12月18日 初稿)