カーボンニュートラル

最近では、豪雨や猛暑などの異常気象が頻発しており、世界各地で土砂災害や洪水、熱波など甚大な被害をもたらしています。その原因の一つが気候変動といわれています。
IPCCの第6次評価報告書(AR6)では、「人間活動が主に温室効果ガスの排出を通して地球温暖化を引き起こしてきたことは明白で、1850〜1900年を基準とした世界平均気温は2011~2020年に1.1℃の温暖化に達した」とされています。また、1.5℃特別報告書では、「世界全体の平均気温の上昇について、2℃を十分下回り、1.5℃の水準に抑えるためには、CO2排出量を2050年頃に正味ゼロとすることが必要」とされています。これにより、世界各国で2050年カーボンニュートラルを目標として掲げるようになり、日本では2020年10月26日に内閣総理大臣による所信表明演説において、2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。それに伴い、2050年二酸化炭素排出実質ゼロを表明する自治体が増えています。
カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量を森林などの吸収量で差し引き、実質ゼロにすることを指します。カーボンニュートラル達成には、消費するエネルギーを減らし、温室効果ガスを排出しないエネルギーの利用に加え、燃料から電気などのエネルギーの転換を通して温室効果ガス排出量を削減し、最終的に残った排出量を吸収量で相殺することで実現することができます。

[参考文献]
①環境省 地球環境局
「IPCC 第6次評価報告書(AR6) 統合報告書(SYR)の概要」
https://www.env.go.jp/content/000265060.pdf
②国・地方脱炭素実現会議:
「地域脱炭素ロードマップ~地方からはじまる、次の時代への移行戦略~」
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/datsutanso/pdf/20210609_chiiki_roadmap.pdf
③環境省:脱炭素ポータル「カーボンニュートラルとは」
https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/about/(2024年6月19日閲覧)
④環境省 大臣官房 環境計画課:
「地方公共団体における長期の脱炭素シナリオ作成方法とその実現方策に係る参考資料ver1.0」
https://www.env.go.jp/policy/local_keikaku/data/jitsugenhousaku.pdf

(2025年2月13日 初稿)

English

carbon neutral

定義

カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を差し引きゼロにすることです。