地下水は、分かりにくい、という声を聞きます。それは、直接、地下水を見ることができず、例えば、井戸での地下水位の観測値などを通して、いわば間接的にしか状況を把握できないことが、大きな要因と思われます。
ところで、水循環基本計画では、持続可能な地下水の保全と利用の推進が挙げられており、学識者だけでなく、一般の住民の方々も、その取組に係わっていくことになります。これまで以上に地下水を分かりやすくするために、地下水可視化の重要となります。
地下水可視化には、①複数の点のデータによる可視化(観測井の地下水位データから地下水位分布図を作成)、②シミュレーション手法による可視化(地質や地下水等のデータから三次元的な地下水流動を解析し、平面図・断面図を作成、図―1)、③画像処理による可視化(シミュレーションで得た時系列の解析結果から流線のアニメーション化)の、大きく3種類の方法があります。
実は、ここに挙げたものは、全て既往の技術であり、いろいろな場面で使われています。ただし、分かりにくい地下水を分かりやすくする地下水可視化ということを十分に意識していたのかという点で、これまでの使い方に課題があったと思います。地下水に係わる技術者自身が、視点を変えることが、求められています。
参考文献
水循環政策本部、2016年9月29日
国際航業株式会社創立60周年記念出版プロジェクト(2007):モデリングとデザインの調和、pp274-276、国際航業株式会社
公益社団法人日本地下水学会(2011): 地下水用語集、pp65、理工図書
(2019年05月10日 更新)
(2016年10月26日 初稿)