Nature based solution (NbS)

Nature based solutionは、2009年に国際自然保護連合(IUCN:International Union for Conservation of Nature)が提唱した概念であり、自然の力を活用して生態系と人々に恩恵をもたらしながら気候変動や自然災害などの社会課題解決を図るアプローチとして近年、全世界で知られています。アプローチ手法として例えば次のようなことが挙げられます。
・防風対策として、海岸沿いに植林をする。
・治水効果を高めるため、川の中に丸太を設置する。
・都市のヒートアイランド現象を和らげるために、ビルの屋上や壁を緑化する。
また、2020年にはIUCNがNature based solutionの8つの基準および28の指標からなる世界標準を公表し、その注目度はますます高まっています。世界標準の基準には以下のものがあります。
基準1:NbSは効果的に社会的課題に取り組む
基準2:NbSのデザインは規模によって方向付けられる
基準3:NbSは、生物多様性、および、生態系の健全性に純便益をもたらす
基準4:NbSは経済的に実行可能である
基準5:NbSは、包括的で、透明性が高く、力を与えていくガバナンスプロセスに基づいている
基準6:NbSは、主目的の達成と複数便益の継続的な提供の間のトレードオフを公平に
基準7:NbSはエビデンスに基づき、順応的に管理される
基準8:NbSは、持続可能で、適切な法域の文脈の中で主流化される

[参考文献]
International Union for Conservation of Nature (2020) : IUCN Global Standard for Nature-based Solutions: A User-Friendly Framework for the Verification, Design and Scaling Up of NbS. First Edition, pp6-pp8, IUCN

(2025年8月18日 初稿)

English

Nature based solution

定義

Nature based solutionとは、社会課題に対し自然由来の方法を用いて解決を図る取り組みのことです。日本語では「自然に基づく解決策」「自然に根差した解決策」等と訳されます。