座標操作には2種類あります。2つの座標参照系の測地原子が同一で座標系が異なる場合は座標換算といいます。一方、測地原子が異なり、座標系が同じ場合は、座標変換といいます。これらは両方とも座標操作です。
例えば、土地の面積を求めるとき、土地の境界を示す閉じた折れ線の頂点が経度と緯度で与えられていたら、簡単に面積を求めることができません。なぜかというと、経緯度は角度だからです。そこで、経緯度を、その土地で使われている平面直角座標に換算します。そうすれば、倍横距法などで直接的に面積を求めることができます。
ところで、異なる国では、異なる測地原子を使用した座標参照系が使われていることがあります。 同じ国でも、多くの場合、時代によって異なる測地原子が使われてきました。例えば日本では、ベッセル楕円体を使った日本測地系、国際地球基準座標系 (International Terrestrial Reference Frame: ITRF) に合わせたJGD 2000、そして東日本大震災における地殻変動に応じてJGD 2000 を補正した JGD 2011があります。測地原子が異なると、同じ経緯度だとしても、異なる位置を指し示すことになります。そこで、どちらかの、もしくは、より新しい座標参照系に合わせることによってこの問題を解消します。このような操作は座標変換です。
[参考文献]
ISO 19111:2007 Geographic information – Spatial referencing by coordinates
(2019年09月04日 初稿)