森林基盤図の作成に当たっては、多くが衛星画像を定められた分類項目にしたがって判読し、分類します。あるいは既存の森林区分図を用いる方法もあります。
分類に際して現地の特性を踏まえた分類項目を設定することとともに、分類の精度を上げるため、分類箇所の植生や土地利用状況を把握しておくことが重要となります。
判読精度を上げるために、グランド・トゥルース(GT)調査と呼ばれる現地調査も行います。また、作成された地図の精度検証も重要です。
地図作成には用いられなかったGT調査点が持つ森林タイプ情報、もしくは他の調査で得られた現地の森林タイプ情報と作成された基盤図の区分が同じであるかどうかを検証します。
気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC)では2015年7月現在、求められる精度を具体的に定めていません。
途上国において過去から継続的に森林区分図が作成されていた国は少なく、ある年の森林区分図を作り、その地図を基準に過去、もしくは未来の森林区分図が作成されることが多くあります。
ある年に作られた森林区分図のみを森林基盤図と呼ぶこともあります。また各時期の森林区分の分類精度の整合性を調整していくことも重要です。
森林に特化した地図は森林基盤図と呼ばれる事が多いですが、森林以外の土地被覆(利用)も地図上に標記される事も多いため、土地被覆(利用)地図と呼ばれる事もあります。
REL(参照排出レベル)/RL(参照レベル)とは、過去の森林減少(劣化)/増加に伴う温室効果ガス排出量の推移に基づき推測された将来予測を指します。
(2015年11月10日 初稿)