都市計画基礎調査は、まちの姿を把握するために実施され、都市計画に係わる計画の点検、適切なルールづくりなどを行うために不可欠な調査です。都道府県が作成した調査要領に沿っておおむね5年毎に調査を実施することが定められています。調査内容は人口及び産業、市街地の面積、土地や建物の利用状況、交通量のほか、自然的環境等、公害及び災害、景観・歴史資源等と多岐に渡ります。
調査項目のうち、例えば建物の調査では、位置、形状、用途、階数、建築面積、延べ床面積などの現況を、既存資料や現地確認調査を通じ把握します。従来の現地調査は紙の地図や調査票に手で書き込むアナログな方法がとられていましたが、近年はタブレット端末を活用した方法も用いられています。調査結果はデジタル化され、全国共通のGISのフォーマットで作成することが求められています。GISでデータ化することで、建物の用途別、高さ別などの種別で色分けした地図を作成し、みえる化することができます。
調査結果はまちの姿を把握するだけでなく、集計や分析を進めることで、より安心安全な将来の都市づくりに活用されています。たとえば、空地の分布、建物構造、建築年次、前面道路幅員、行き止まり等の調査結果から、大地震時の燃え広がりやすさや避難のしやすさなどの防災性評価を導きだせます。また、道路や公園などの都市施設の整備水準の検証や土地利用や建物に関する必要な規制・誘導策を検討することにも活用できます。
(2015年01月13日 初稿)