日本標準時

日本標準時とは、協定世界時(UTC)を9時間(東経135度分の時差)進めた時刻を指します。日本標準時は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の原子時計で生成・供給されるUTC (NICT)を9時間進めた時刻です。UTC (NICT) は、国際度量衡局が供給するUTCとの差が±10ナノ秒以内になることを目標に調整されています[1]。地球の1日は24時間ですが、360÷24 = 15なので、地球が15度自転するには1時間かかることになります。例えば経度135度の場所は、135÷15 = 9なので、本初子午線の時刻に対して9時間進んでいます。ちなみに、似た言葉として中央標準時があり、明治19年の勅令第五十一号で、「明治二十一年一月一日ヨリ東経百三十五度ノ子午線ノ時ヲ以テ本邦一般ノ標準時ト定ム」とし、明治二十八年勅令第百六十七号(標準時ニ関スル件)第一条で「帝国従来ノ標準時ハ自今之ヲ中央標準時ト称ス」としています。日本標準時という言葉には、このような法的な裏付けはないようです。実際、国立天文台は大正13年から昭和30年まで三鷹キャンパス(東京都三鷹市)において、天体観測により、中央標準時を決定していました[2]。今日では、国立天文台も原子時計を運用しており、事実上中央標準時も日本標準時も同じ、つまりUTC+9時間とされています[3]。

[参考文献]
[1] 情報通信研究機構(NICT)『協定世界時と日本標準時との時刻比較』、
https://jjy.nict.go.jp/mission/page3.html#:~:text=NICT%E3%81%AF%E3%80%81%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%A8%99%E6%BA%96%E6%99%82%EF%BC%88JST,%E3%81%97%E7%AE%A1%E7%90%86%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
(2022年06月08日 閲覧)
[2] 小野智子(2021)『日本の「時」をつかさどる』国立天文台、
https://www.nao.ac.jp/news/blog/2021/20210610-time.html
(2022年06月07日 閲覧)
[3] 日本天文学会(2018)中央標準時、天文学辞典、https://astro-dic.jp/central-standard-time/
(2022年06月17日 閲覧)

(2022年06月24日 初稿)

English

Japan standard time

定義

日本標準時とは、協定世界時(UTC)を9時間(東経135度分の時差)進めた時刻を指します。