画像マッチングは領域ベースマッチングと特徴ベースマッチングに大きく分けることができます。
① 領域ベースマッチング(テンプレートマッチング)
画像データをそのまま重ね合わせる手法で、対象物のパターンを画像(これをテンプレート画像と呼びます)として表現し、このテンプレート画像を探索範囲内で動かしてもっともよく合った場所を探します。類似度が最大あるいは相違度(距離)が最小となるようなテンプレート画像の位置が求める場所です。類似度としては相関係数や正規化相互相関が、相違度としてはSAD(sum of absolute differences。市街地距離に相当します)やSSD(sum of square differences。ユークリッド距離の2乗に相当します)がよく利用されます。
② 特徴ベースマッチング(構造マッチング)
画像の構造、すなわち画像から抽出された特徴点の位置関係のレベルで重ね合わせを行う手法です。まず画像からエッジや特徴点を抽出し、それらの形や空間的位置関係を線図形として表現します。その後、線図形間の構造の類似性に基づいて重ね合わせを行います。線図形間の構造の類似性を判定する方法の違いで、いくつかの線が交わる分岐点の構造情報を利用する分岐点主導型手法や、隣接する線分の空間的配置関係を使う線分主導型手法などに分けられます。
画像マッチングのもっとも典型的な応用例は文字認識(印刷文字・手書き文字)です。その他にも、指紋照合を始めとする生体認証や、回路パターン検査などの工業製品の検査に画像マッチングは利用されています。ステレオ画像法で左右の画像上で対応点を探索する画像マッチングは、オクルージョンの存在などもあり、難易度の高いマッチングです。これはステレオマッチングと呼ばれることもあります。
(2015年11月18日 初稿)