緑被調査は、都道府県や市区町村などが主体となって実施しているもので、樹木や草地などの分布と面積を調査するものです。同じ基準で一定期間ごとに調査を行うことによって、対象地域の緑被変遷状況を把握することができ、それまでの緑化施策の効果や今後の課題を抽出するための基礎資料として用いられています。
樹木の面積は、上空から見て枝葉が広がっている範囲の面積(樹冠投影面積)を測定するため、緑被調査には空中写真や衛星画像などが用いられます。緑被調査にどんなデータを用いるかの判断は、抽出したい緑被の規模や区分したい項目、調査にかかる費用などに基づいて行われます。現状で詳細な緑被調査に最も適しているのはデジタル航空写真であり、近赤外バンドを含めた4バンド構成の画像が10cm解像度で取得できます。しかしながら、撮影には10平方キロメートル当たり数百万円単位の費用が必要です。1画素の大きさ(地上分解能)が30cmや50cmの衛星画像も入手可能で、極小規模の緑被を抽出する必要がない緑被調査に用いることができます。
抽出の対象となる緑被の規模は、調査主体が決めており、1㎡以上、10㎡以上、300㎡以上など様々であり、緑被面積や緑被率を比較する際注意が必要です。
緑被区分は調査主体によって異なりますが、樹木地、草地、農地、屋上緑化などが区分されます。水面もオープンスペースとして抽出されることがあります。
(2019年05月10日 更新)
(2015年11月16日 初稿)