投射図法と呼ばれる図法には、画法幾何学的方法で経緯線を作図できる図法(perspective projection)と、地球上の1点でこれに接する平面を設定し,地球上の各点をその平面上に投影して地図を作る図法(azimuthal projection)の2種類があります。後者は方位図法と呼ばれることが多く、投射方位図法と非投射方位図法があります。ここでは、よく用いられている投射方位図法について説明します。
投射方位図法は、地球と投影面の接点から他の点に対する方位角が正しく表される図法(方位図法)です。投影面の法線と地軸が一致する正軸法(極心法ともいいます。接点は極。)、投影面の法線と地軸が直交する横軸法(赤道法ともいいます。接点は赤道上の1点。)、そして投影面の法線と地軸が斜交する斜軸法(地平法ともいいます。)の3種類があります。
投射方位図法は下図に示すように、投影中心を、(1) 地球外有限の距離に置いた外射図法、(2) 地球内部に置いた内射図法、(3) 地球外無限遠に置いた正射図法、(4) 投影面と反対側の地球表面上に置いた平射図法、(5) 地球の中心と一致させた心射図法の5種類に分かれます。平射図法は正角図法の代表的な図法で、国際航空図、大洋水深総図、国際天気図などで極付近を表現するときによく用いられます。
(2019年05月10日 更新)
(2015年11月18日 初稿)