建設産業では、就労人口の高齢化を起因として今後大幅な労働力の減少が見込まれており、労働力不足を補うためにも、建設産業の生産性を向上させることが課題です。そのため、国土交通省では、近年普及が著しい情報技術や大量のデータの高速処理などの技術を活用し、さらに無人の建設機械などを投入することで安全性を高めるなどして、建設現場や公共事業全体の無駄を省き生産性を向上させることに取り組んでいます。
i-Constructionには、3つの視点があります。①建設現場を最先端の工場へ②建設現場へ最先端のサプライチェーンマネジメントを導入③建設現場の2つの「キセイ」の打破と継続的な「カイゼン」であり、これら視点を踏まえたトップランナー施策としてICTの全面的な活用に最も力を入れて取り組んでいます。例えば、現場の状態を無人航空機等で撮影し、撮影データを3次元的に加工・活用します。従来地上の測量機器で実施していた作業を大幅に軽減し、時間短縮がはかれます。建設機械は、その3次元のデータを取り込むことで、熟練技術者が実施していた施工技術と同等の精度が得られるよう建設機械を動かし、効率化をはかります。3次元データでの管理は、工事の出来形やのちの維持管理への活用が期待されています。このようなトップランナー施策を先行的に進め、得られた知見等を踏まえて他の施策への展開を図り、全ての建設現場にi-Constructionの取組を進めることで生産性の向上を実現します。
(2017年11月24日 初稿)