舗装維持管理計画は、劣化による道路の安全性低下を出来る限り防止すると共に、低コストで補修を行うことを目的としています。
まず、補修箇所の抽出をするために、路面性状調査結果から得られた劣化状況より、著しく劣化が進行している区間を抽出します。同時に、交通量が多く利用頻度が高い区間や災害時に使われる区間、隣接する自治体と接続する道路など、使われ方について様々な資料から情報を集めます。これらの劣化状況と道路の使われ方からどの区間から補修をする必要があるか優先順位を付けていくことが可能となります。
次に、現実的な計画とするために、補修のコストを算出します。著しく劣化が進行した箇所を補修するためには大規模補修となり、高コストになります。軽微な劣化進行の場合は補修も軽微で済むため低コストとなります。今後、補修を低コストで済ませるためには、定期的な調査や今までのデータを用いて予測等を行い、劣化が進行しそうな箇所や兆候が見られた時点で補修を行う必要があります。
上記より、現時点で著しく劣化が進行している箇所とこれから劣化する箇所について、限られた予算内で補修していくための予算計画を立案することが重要になります。それらの条件をシミュレーションし、徐々に低コストで補修が済むような最適なサイクルを構築することが、舗装維持管理計画の大切な役割です。
(2015年11月18日 初稿)