東日本大震災を契機として、わが国の電力需給環境が大きく変化し、 再生可能エネルギーの拡大等電源構成の多様化・分散化による出力調整が求められているほか、これまで供給側が需要にあわせて発電量を調整していた時代から、需要家側が電源特性にあわせて電力を消費することも重要な時代へと変化しています。
この技術は、こうしたエネルギー需給調整を特定の地域内で実施するものであり、地域内の需要家と供給側相互が通信インフラでネットワーク化され、 エネルギー利用状況の集約・可視化、需要制御等の機能を持った環境下で実現できるものです。
地域エネルギーマネジメントのシステムが導入されることで例えば、ある一定以上の電力を消費することを抑制するため、需要家に消費を抑制するよう呼びかけ、これに応答した需要家にインセンティブを付与するデマンドレスポンスと呼ばれる仕組みや、長期停電時に避難施設や病院等に優先的に電力を供給する仕組みを地域で実施することが可能になります。
しかしながら、現状では特定地域内に共通した通信インフラを整えるのが困難であったり、エネルギー需給をマネジメントするプレーヤーを育てる必要があるなど、実現に向けてはまだ多くの課題があることから、現状では国内各所で試行的に地域エネルギーマネジメントの取組みを実施しています。
(2019年05月17日 更新)
(2015年03月02日 初稿)