一般に「公園」と呼ばれるものは、都市公園と自然公園とに大別されます。都市公園は都市公園法に基づくもので、目的に応じた公園の形態を創り出し一般に公開するオープンスペースです。自然公園は自然公園法に基づくもので、その区域を指定し土地利用の制限等によって自然景観を保全することを主な目的としています。都市公園には、地域住民にとって身近な街区公園から大規模な国営公園まで幅広く、自然公園には島や海岸域一体を指定している国立公園や国定公園などがあります。
公園設計では、「なにを、だれのために、どこに」を具体化し、地域の現況特性やニーズとの調和を図りながら、地域のアイデンティティを踏まえて創出していくことが重要といえます。具体的には、現況の地域特性、立地特性、環境特性など多面的な分析に基づき、機能計画、動線計画、景観計画、造成計画、施設計画、設備計画、工程計画などを細部にわたって検討します。また、景観計画では完成イメージを表す合成写真(フォトモンタージュ)やCG(コンピュータグラフィック)などを用いた検討を行います。
近年では、地域の多様なニーズに応えるため、計画・設計段階から住民参加による公園づくりが重要視され、その手法の一つとしてワークショップなどが盛んに取り入れられています。ワークショップの意義としては、「相互理解、学習、創造」などが挙げられ、公園設計のプロセスにおいて欠かすことにできないものになっています。
(2015年03月04日 初稿)