ポジティブゾーニング

ゾーニングとは、都市や建物の空間を目的やテーマに応じて「区分け」し、その区域(ゾーン)を目的に沿って活用すること指します。医療や商業など分野によってどのように区分けをするか、方法は様々です。
再生可能エネルギー(以下、再エネ、とする)の導入におけるゾーニングでは、法規制や環境情報等を重ね合わせ、関係者・関係機関による配慮・調整のもと広域的な観点から、「再エネの導入を促進する区域」を設定することを指します。
2021年5月の「地球温暖化対策推進法」改正により、「地域脱炭素化促進事業」に関する制度が導入され、地域と共生する再エネ事業の導入を促進する「促進区域」の設定が始まりました(1)。再エネの導入に関しては、景観への影響、野生生物・生態系等の自然環境への影響、騒音等の生活環境への影響や土砂災害のような災害リスクといった様々な懸念や問題が課題とされています。
土地利用やインフラの在り方も含め、長期的に望ましい地域の絵姿を検討すること、すなわち、まちづくりの一環として取り組むことが重要であることなどから、広域的に検討することが理想的な考え方とされており、積極的な再エネ導入を促す仕組みとして「ポジティブゾーニング」と称されています。(2)

[参考文献]
(1)環境省 大臣官房 地域脱炭素政策調整担当参事官室(2024年):「地域脱炭素のための促進区域設定等に向けたハンドブック(第4版)」
(2)環境省 大臣官房 地域脱炭素政策調整担当参事官室(2024年):「地方公共団体実行計画(区域施策編)策定・実施マニュアル(地域脱炭素化促進事業編)」

(2025年2月13日 初稿)

English

positive zoning

定義

ポジティブゾーニングとは、地域脱炭素化促進事業制度における促進区域の設定手法の一つです。再生可能エネルギーの導入拡大に向け、都道府県や市町村が考える環境保全に係るルールに従って区域を区分けすることにより、地域が持つ発電ポテンシャルの最大限の活用と、円滑な地域合意形成を促す仕組みです。