災害対応型太陽光発電システム

太陽光発電をはじめとする小規模分散型の発電システムは、外部で停電が発生した場合、逆送を防ぐために電力会社との連系を切り離さなければなりません。そのため、電力会社側が停電すると太陽光発電システムも自動的に停止する仕組みとなっています。

災害対応型太陽光発電システムとは、停電時でも外部と切り離して特定負荷に電力を供給できる太陽光発電システムのことです。停電時(災害時)には太陽光と蓄電池によって昼夜を問わず構内設備へ電力を供給します。停電が長期化しても、太陽光発電からの電力を日中に蓄えておき、夜間や日照の少ない日でも最低限の電力を賄うことができます。化石燃料のように備蓄が枯渇する心配もなく、しかもクリーンなエネルギーであるため、地域の避難所などに設置が進められています。

一方、蓄電池の性能は年々向上しています。放電深度の深い充放電を数千回繰り返しても劣化が少ない製品が多くなっています。言い換えると、いつ起こるかわからない災害に備えるだけのために蓄電池を設置するのではなく、電力需要の変動を緩和する目的での設置も今後は進んでいくでしょう。

蓄電池の価格はまだまだ高価なので、長時間の電力需要そのものを賄うことは困難ですが、蓄電池には電力需要の変動を早いレスポンスで吸収できるという特徴があります。この特徴を設置された個々の建物内だけで利用するのではなく、自治体の避難所などに設置された数多くの災害対応型の蓄電池を束ねて遠隔制御することにより、地域の電力需要の平準化(地域デマンドレスポンス)に貢献する技術に期待が集まっています。

(2019年05月08日 更新)
(2015年01月05日 初稿)

English

Disaster responsive photovoltaic generation system

定義

災害対応型太陽光発電システムとは、平常時は一般の太陽光発電として電力会社からの電気と連系して利用し、災害などの停電時には太陽光発電と蓄電池を使った独立電源として特定負荷へ電気を供給するシステムです。