要支援者システム(要援護者システム)

平成16年7月の梅雨前線豪雨、台風等の風水害時における高齢者等への避難支援の課題から「災害時要援護者の避難支援ガイドライン」(平成18年3月)が策定され、各自治体において、災害時要援護者名簿の作成等が進められてきました。しかし、東日本大震災において多くの高齢者や障がい者が犠牲となったため、平成25年6月の災害対策基本法の改正において、避難行動要支援者名簿の作成の義務付け、名簿情報の避難支援等関係者への提供等の規定が設けられました。この法改正を受け「避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針」(平成25年8月)が策定されました。

避難行動要支援者名簿には、要支援者の氏名、生年月日、性別、住所、電話番号、その他の連絡先、避難支援等を必要とする事由等が記載されています。また要支援者一人一人に対して避難行動支援のための個別計画の策定が望まれており、避難支援者の情報、避難支援時の留意点、避難場所や避難経路等の情報などが必要とされています。要支援者システムは、これらの情報を管理し、災害発生時の避難支援に利活用するためのシステムです。

また、GISと連携し、要支援者、自治会、民生委員、避難場所、ハザードマップ等を地図上に登録することにより、避難経路の策定や防災対策の検討が行えます。災害発生時には、安否情報を登録することで、避難状況等を一目で把握でき、救済に役立ちます。

参考文献
・災害時要援護者の避難対策に関する検討会(平成18年3月):災害時要援護者の避難支援ガイドライン
・内閣府(防災担当)(平成25年8月):避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針

(2015年11月18日 初稿)

English

Support system for vulnerable people

定義

要支援者システムとは、災害発生時に自分では避難することが困難で支援を必要とする高齢者や障がい者等(避難行動要支援者)の情報管理、避難行動支援のための個別計画作成、災害時の安否確認等を行うシステムです。