O2O(Online to Offline)

商業施設や店舗への来訪を促すための手段には様々なものがあり、典型的な手段としてはチラシ、電車やバス内の広告、クーポン発行、テレビCM、インターネット上での広告等があります。それらに加え、近年はスマートフォンの普及により、スマートフォンを媒体にした手段が多く登場するようになっており、特にインターネットやスマートフォンで宣伝を行って消費者の関心を呼び、商業施設や店舗などリアルな空間での購買行動に繋げることを、O2Oの施策が増えています。(中島他、2015)

また、スマートフォンならではの手段として、位置情報の活用があります。スマートフォンに搭載されているGPSから取得される位置情報を活用して、あるエリアにいる人に限定して商業施設への来訪を促す情報を配信することで、これまでよりも効果的な誘客を行うことが可能になりました。例えば、商業施設の周辺にいる人にだけ「10%オフ」等のクーポンやタイムサービスの情報を配信することで、情報配信数に対する誘客効果が大きく向上します。

さらに、最近は施設内に電波を発信する機器を設置し、その電波をスマートフォンで検知することで、屋内空間でもあるエリアにいる特定の人に対してのみ情報配信や来店ポイントを付与することが可能になりました。また、インターネットの検索履歴からその消費者が関心のある情報を推定し、内容を絞った広告配信をするサービスも増えています。このように、誘客を促す手段は情報技術の進展とともに変化しており、今後も変化し続けると予想されます。

参考文献
中島円(2015年):位置情報ビッグデータを支える技術(5章3節),インターネット白書2015,インプレスR&D

(2015年11月16日 初稿)

English

O2O(Online to Offline)

定義

O2Oとは、インターネットやスマートフォンアプリケーション上で商業施設や店舗で使えるクーポンの発行等によって一般消費者の関心を集め、実際の商業施設や店舗への来店及び購買に繋げる施策のことを言います。Onlineはインターネット空間のことを指し、Offlineは商業施設や店舗の実際の空間のことを指します。特に、近年はスマートフォンの普及により、スマートフォンを活用したO2Oの取り組みが多く登場しています。