水資源開発調査

水は私たちの生活や産業活動に欠かせない資源です。雨が少ない年には水が不足し、農作物の生育や工業生産、さらには日々の生活に重大な影響をもたらします。毎年の気象条件の違いによる影響を抑え、将来にわたって安定して水を使うためには、水が、どこに、どのくらいの量があり、そのうちどれだけを使えるのか知ることが大事です。

水資源開発調査では、「雨がどれだけ降るのか」、「川の水や地下水の量はどのくらいか」、「川の水や地下水の水質は利用する目的にかなっているか」(自然の調査)、「人口や産業の現状はどうなっていて、将来どうなるのか」「川や地下から今どのくらいの水を取っていて、将来はどうなるのか」(社会経済の調査)、「将来開発することで、開発地付近の動植物や人々の居住環境などに悪影響はないか」(環境の調査)、「開発にかかる費用はいくらで、それを誰が負担するのか」(経済・財務の調査)など、様々なことを調べます。その上で、地域の水需要を満たすための開発計画を立てます。

水資源開発調査には、利用分野を上工水や農業用水、発電用水などに限定するもの、水源を川や湖(表流水)または地下水に限定するもの、およびこれらを総合的に扱うものがあります。近年は地球温暖化が原因とされる気候変動によって、水資源を取り巻く状況が将来どのように変化していくのかにも強い関心が寄せられており、その影響を考慮した水資源開発調査も望まれています。

(2019年05月17日 更新)
(2015年11月10日 初稿)

English

Water Resources Development Study

定義

水資源開発調査とは、ある地域で安定的に水を利用するために、将来どれだけの水が足りなくなるのかを予測し、その不足分をどのように確保(開発)すればよいのかを調べる調査です。