土壌含有量

土壌汚染対策法(以下、法)では、土壌に含まれることに起因して人の健康に被害のあるおそれがものとして、揮発性有機化合物や重金属類、農薬類などの計26物質を特定有害物質として指定しています。法では、特定有害物質のうち重金属類(第二種特定有害物質)について、特に直接摂取によるリスクがあるものとしています。この第二種特定有害物質について、直接摂取した場合には、健康被害が生じるおそれがあるため、土壌中の有害物質を定量的に測定する必要があります。
土壌含有量の測定方法は、法の施行規則で示された分析方法(環境省告示第19号)であり、分析結果は法に定められた基準(土壌含有量基準)と比較することになります。なお、この土壌含有量基準は、汚染土壌を毎日100グラム(子どもの場合は200グラム)、70年間摂取しても健康影響が出ないような水準で設定されています。また、土壌含有量基準に不適合で、健康被害の生ずるおそれがあるような場合(汚染土壌のある土地に人が立ち入ることができる場合)、盛土、舗装、土壌入れ換え、土壌汚染の除去などの措置を講じる必要があります。

参考文献
環境省水・大気環境局土壌環境課(2012):土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第2版)
環境省(2001):土壌の直接摂取によるリスク評価について

(2017年11月15日 初稿)

English

Soil Content

定義

土壌含有量とは、土壌中の有害物質の量を示す指標値であり、土壌に含まれる全量ではなく、有害物質が体内で吸収(胃酸によって溶解)される可能性を考慮した値です。屋外などで有害物質を含む土壌が肌や口に付着し、そのまま土壌を摂食した場合のリスクを評価する際に用いられます。