管網解析

安全でおいしい水の供給には、浄水場で生成された水道水を家庭まで高品質な状態で安定的に如何に届けるかが課題であり、この課題をクリアする最適な条件を探る作業に管網解析が利用されます。

配水池から遠く離れた場所まで十分な水圧と水量を維持しながら水道水を届けることは簡単なことではありません。水圧と水量を増すとその勢いにより配水管が破裂することがあります。水圧と水量を減らすと蛇口をひねってもチョロチョロしか水が出ないことになります。配水管を壊さず、十分な水圧と水量を維持する絶妙なバランスを管網解析により求めることができます。

高度な浄水技術により生成された水道水にも大腸菌などの雑菌は含まれます。そのため殺菌効果のある塩素を注入しますが、注入量が過剰であると「臭くてまずい水」に、不足すると「不衛生な水」になります。水道水中の有機物と塩素が反応すると発がん性物質のトリハロメタンが生成され「危険な水」になることもあります。安全でおいしい水の維持には塩素濃度の調整が不可欠ですが、日常生活で使われている配水管を利用した塩素濃度実験を行うことは現実的ではないため、管網解析により塩素量や注入のタイミングをシミュレーションし、水の安全性とおいしさを保つ工夫を検討します。

このように安全でおいしい水を安定して届けるために管網解析は幅広く利用されています。今後は老朽化した水道施設の再構築を適切に行うために管網解析が今まで以上に重要になっていくことでしょう。

(2015年11月18日 初稿)

English

Distribution network analysis

定義

配水管の中をどのように水道水が流れるかを計算により求めるとともに、条件設定やパラメータ変更を行うことでその流れがどのように変化するかをシミュレーションするのが管網解析です。