海浜流観測

海浜流は、波のエネルギーより発生するため、波の向きや高さにより、海浜流の流れの向きや流速も変化します。海浜流は大きく2つのパターンに大別されます。波が海岸線に対して直角に当る場合(図1(a)参照)、離岸流注1)を伴う左右対称の循環する流れが形成されます。一方、波が海岸線に対して直角に当らない場合(図1(b)参照)、沿岸方向への流れ(沿岸流注2))が強い左右非対称の流れが形成されます。

図1 海浜流パターン 〔新編〕海岸工学(堀川清司著、東京大学出版会)を参考に加筆作成

外洋に面した海岸では、海岸地形の変化や砂浜の消失、海水浴やサーフィンでの海難事故などが、海浜流の原因であることがよく知られています。これは、離岸流や沿岸流のように一定方向の強い流れが突発的に発生するためであり、海浜流の流れは、風浪、河口など海岸地形の影響を受け、複雑なものとなっています。流れの観測では、観測箇所に流向・流速計を設置することが一般的であり、同時に、沿岸流を発生させる波浪を観測することもあります。また、海浜流は、海岸地形に沿って局所的に発生する複雑な流れであるため、海面に複数のマーカーブイを投入し、その航跡を同時に追跡することで海岸全体の流れを観測する方法もよく用いられます。
注1) 離岸流:海浜の波打ち際から沖合いに向かう流れ
注2) 沿岸流:海岸線に沿った流れ

参考文献
・〔新編〕海岸工学(堀川清司著、東京大学出版会)に掲載の図をトレースし加筆。

(2015年11月18日 初稿)

English

Coastal Current Observation

定義

海浜流とは、海浜の波打ち際において、波が引き起こす局所的な流れの総称であり、波打ち際で発生する流れのため、海岸の砂の移動に大きな影響を及ぼします。また、海浜流には、沖合に向かう流れが発生するため、夏場には、海水浴、サーフィン等を楽しむ人たちが、溺れたり、沖合まで流されたり、毎年多くの事故が起きています。