世界遺産

世界遺産とは、地球の生成と人類の歴史によって生み出され、過去から現在へと引き継がれてきたかけがえのない宝物であり、現在を生きる世界中の人びとが過去から引継ぎ、未来へと伝えていかなければならない人類共通の遺産です。

世界遺産条約誕生の背景には、1960年代アスワンハイダムの建設によってナイル川流域にあったヌビア遺跡を水没の危機から救うために、ユネスコがこの遺跡群を移築して保存する救済キャンペーンの際に、人類共通の遺産という世界遺産条約の基本的な考え方が広がっていったことにあります。

世界遺産登録までの流れは、国内の世界遺産候補物件リストの中から、条約締約国21カ国の代表から構成される世界遺産委員会に推薦し、文化遺産は国際記念物遺跡会議(ICOMOS)、自然遺産は国際自然保護連合(IUCN)により調査が行われ、その後、専門機関からの報告書を基に世界遺産リストへの登録を決定します。

2015年現在の世界遺産登録数は1031件で、イタリアが最も多く51件となっています。

我が国では、1993年に初めて法隆寺地域の仏教建造物及び姫路城が文化遺産として、白神山地及び屋久島が自然遺産として登録され、現在の登録数は19件です。

参考文献
・文化庁HP
・公益社団法人 日本ユネスコ協会連盟HP

(2015年11月18日 初稿)

English

World Heritage

定義

世界遺産は、1972年のユネスコ総会において、文化遺産及び自然遺産を人類全体のための世界の遺産として損傷、破壊等の脅威から保護し、保存することが重要であるとの観点から、国際的協力及び援助体制確立を目的として採択された「世界の文化遺産及び自然資産の保護に関する条約」の基、登録された文化財や自然環境であり、文化遺産、自然遺産、文化遺産と自然遺産の価値を兼ね備えている複合遺産があり、有形不動産が対象です。