災害危険度判定調査

「都市防災実務ハンドブック」(1997)において、地震時の都市における危険性を都市レベル、地区レベルで評価する方法が紹介されており、判定された危険度によって、優先性を判断して防災都市づくりを進めていくことが推奨されています。さらに、平成7年阪神・淡路大震災後に改定されています。

都市レベルの危険度評価は、震災に強い都市づくりを推進するために、土地利用の計画、広域避難地や避難路の配置などの都市の防災骨格を検討する基礎資料となります。延焼の拡大を抑制する広幅員の道路や耐火造建物群などの整備状況や広域避難地の充足性を評価するものです。

地区レベルの危険度評価は、住民等にとっての身近な生活圏における防災上の課題を明らかにするものとなります。地区レベルの延焼危険度は、建物の密集度などから算定される地区内の燃えやすさと、消防水利の不足状況から評価されます。地区レベルの避難危険度は、地区内の道路幅員の分布や沿道建物の耐震性から算定される道路閉塞確率と、一次避難場所の不足状況から評価されます。

危険度評価手法は地域の状況に応じて柔軟に適用することが可能なもので、建物倒壊危険度や水害危険度など上記以外の危険度評価項目を取り入れても良い。

また、平成10~14年度にかけて実施された国土交通省「防災まちづくり総プロ」で開発された延焼抵抗率(CVF)を延焼危険度評価に取り入れる例も多くなっており、危険度評価を行うにあたって、GISの活用が有効です。

参考文献
・都市防災実務ハンドブック編集委員会(1997)「都市防災実務ハンドブック~地震防災編~」,建設省都市局都市防災対策室監修
・都市防災実務ハンドブック編集委員会(2005)「改訂 都市防災実務ハンドブック 震災に強い都市づくり・地区まちづくりの手引」,国土交通省都市・地域整備局都市防災対策室監修

(2019年05月10日 更新)
(2015年11月18日 初稿)

English

Estimating the Risk of the Urban Disaster

定義

災害危険度判定調査とは、災害に強い都市づくりが行われるようにするために、国土交通省都市局が奨励している、都市における災害の危険性を客観的に評価する調査のことです。