日本版DMO

日本版DMOは、観光庁において、『地域の「稼ぐ力」を引き出すとともに地域への誇りと愛着を醸成する「観光地経営」の視点に立った観光地域づくりの舵取り役として、多様な関係者と協同しながら、明確なコンセプトに基づいた観光地域づくりを実現するための戦略を策定するとともに、戦略を着実に実施するための調整機能を備えた法人』と定義されています。
これまで日本の観光振興は、行政や観光協会を中心に、日本人観光客をターゲットとして、観光情報を提供するという考え方が主立ったものとなっていました。近年のインバウンドの高まりや、観光形態の変化(着地型観光や個人旅行化)などを背景に、観光地におけるマーケティングやブランディングの必要性が求められるようになりました。これらを、行政や観光協会だけで担うのではなく、地域の様々な産業事業者や住民なども巻き込みながら、観光戦略を立て、変化していく観光市場に的確に対応するために、トータルでマネジメントしていく組織がDMOです。
従って、DMOには、①多様な関係者の巻き込みと合意形成、②各種データ等の継続的な収集・分析、③コンセプトに基づく戦略の策定、④KPIに基づく評価、⑤PDCAサイクルの実践、⑥個別事業の実施等の役割を担うことが求められています。これらの役割を担うため、DMOの組織を設立するにあたっては、①法人各の取得、②意思決定の仕組みの構築、③専門人材の専従が設立要件となっています。

参考文献
日本版DMOとは?,平成29年8月25日現在

(2017年11月24日 初稿)

English

Destination Management Organization for Japan

定義

DMOとは、「Destination Management Organization」の略称で、地域の観光に関わる様々な事業において、様々な関係者と協同して、事業全体をマネジメントし、観光地域づくり・観光地経営を行う法人のことです。2015年に地方創生に向けた動きが活発化する中、DMOの創生・確立が一つの柱として注目され、欧米で実践されていた仕組みを日本に導入したものが日本版DMOです。