リモコンボート深浅測量

GPS(Global Positioning System)による位置情報と200kHz単素子音波による水深データを同時に取得し、水底の三次元空間情報を取得します。ボート本体は幅25cm、長さ106cm、11kgと軽量で、駆動が電動モーターのため低騒音かつ排煙や油流出がありません(図-1 機器構成参照)。ボートの遠隔操作は通信半径500m内で行い、予め設定したライン上を自動で走行させる機能もあります。取得可能な水深帯は0.5~80mで、流速2m/秒以下、波高1m以下の条件下において作業が可能です。

当該技術は有人船での計測が困難な箇所において機動力を発揮します。例えば、豪雨や土砂災害、地震津波などの災害発生直後の水深を把握したい場合に有効です。水深が不明で有人船の座礁リスクが生じるような濁りのある遊水地などでも、安全に作業を行えます。ノートパソコンの画面で走行軌跡上の水深が断面形状と数値で表示されるので、現場での現況把握に活用することができます。

近年ではリモートセンシングが飛躍的に向上し、地上部では各種レーザ計測技術、水中部ではマルチビーム音響測深システムなどがあり、両者とも高密度の空間データを取得することが可能となっています。一方で、水深3m未満の浅所は、これら計測機を装備した有人船では計測が困難であり、波浪や濁りによってレーザも透過しにくい水深帯です。この水深帯を効率的にデータ取得・補完することによって、水陸一体のデータ構築への寄与や、災害発生直後等のデータ取得などに期待されています。

NETIS(新技術情報提供サービス) 登録 No.KK-080050

NETIS(新技術情報提供サービス) 登録 No.KK-080050

(2015年01月26日 初稿)

English

Remote Control Boat Sounding

定義

GPSと音響測深機を装備した小型ボートを遠隔操作によって水深データを取得し、有人船の持込や進入が困難な箇所における深浅測量について安全性や作業効率性を向上させたものです。