REDD+炭素量モニタリング

REDD+において、FREL/FRL(森林参照排出レベル/森林参照レベル)を推定するためには、まず現状の森林に蓄積されている炭素量を計測することが必要です。国レベル、あるいは準国レベルといった広域の森林の炭素量を推定するためには、衛星画像等を活用することが重要です。

森林の炭素量を計測するためには、光学衛星画像から森林被覆図(活動データ)を作成して、森林タイプ毎に実施したプロット調査により得られた単位面積当たりの材積量(排出係数)を乗じることで、全体の炭素量を推定することができます。一般的にREDD+では、この方法により炭素量を推定しています。また、レーダ衛星画像を用いて、レーダの後方散乱係数と材積量との間に相関があることから、この回帰式を用いて炭素量を推定する方法もありますが、材積量の多い森林では後方散乱係数と材積量の回帰式が飽和してしまうため、材積量が300m3程度までの森林にしか適用することができない点が問題です。また、近年では、航空機LiDARにより計測された樹高データを用いて、樹高と材積量の間の回帰式を用いて材積量を推定する方法が利用されています。LiDARによる方法は、炭素量の推定精度は高いですが、LiDARデータの取得コストが高いことや、広域を対象とするには同様にコストがかかるという問題があるので、プロジェクトレベルのREDD+では活用され始めています。

(2015年11月16日 初稿)

English

Carbon stock monitoring

定義

衛星画像等の広域を観測できるデータを用いて、森林に蓄積されている炭素量を計測するとともに、定期的に更新を行いモニタリングします。