SLA

昨今の情報システムは、サービスとして提供される形態が増えています。この問題として、利用者は「期待していた内容の品質ではない」という不満が、提供者は「契約以上の過剰なサービスを要求される」といった不満がありました。この背景には、情報システムは有形ではないために利用者と提供者の認識に齟齬が出来やすいこと、利用してみないと内容が見えにくいことがあります。
SLAはこれらの問題が起きないようにするため、提供される情報システムのサービスの水準について、利用者と提供者双方の合意により規定したものです。この規定は、契約書内に記載、あるいは付属資料として文書化されます。
具体的には、通信速度や処理性能、障害やメンテナンスによる利用不能時間の年間上限など、サービス品質の保証項目を定めたものとなります。これらは原則として定量的に計測可能な数値で表し、測定方法も定めます。さらに、実現可否の評価について、未達成の場合は減額等の補償規定を契約に含める目標保証型と、あくまでの参考目標値に留める努力目標型に分けることができます。
SLAにより、利用者は性能や機能がどの程度の品質で確保されるのか事前に知ることができ、サービスの品質とコストを比較して提供者を選定できるようになります。提供者はサービスする品質の客観的なアピールに利用でき、想定以上の品質や対応を求められるトラブルを防止できるメリットがあります。

参考文献
独立行政法人情報処理推進機構:情報システムに係る政府調達へのSLA導入ガイドライン,2017年8月30日

(2017年11月29日 初稿)

English

SLA (Service Level Agreement)

定義

SLA(Service Level Agreement)とは、提供する情報システムのサービスの水準について、利用者と提供者双方の合意により規定したものです。