インフラマネジメント計画

戦後、わが国は高度経済成長を遂げ、その成長を支える社会資本整備が急速に進みました。1960年から70年代に整備されたこれらの社会資本は、2020年にはそのほとんどが建設から50年を越えることになります。古くなった橋梁が落下したりトンネルが崩落したりすれば、人命を奪い、経済活動に影響を与える大事故となる可能性も高く、これらの社会資本を適切に管理する必要があります。一方、少子高齢化による人口減少は税収減や福祉分野の支出増につながり、社会資本に使える予算は増やせません。

このような背景の下、東京都府中市では、先進的な「インフラマネジメント」の取組を進めています。府中市は、まず、各インフラ施設の管理状況や毎年の支出額を把握した上で想定される将来の支出額を予測し、現在の支出額ではインフラ施設を維持できない可能性を確認しました。そのため、次に、将来の支出額を抑制するための施策を広く検討し、「府中市インフラマネジメント計画」を策定しました。この計画には、予防保全の導入、スポンサー制度やネーミングライツ制度の導入、包括的管理委託等の民間活用、管理水準の見直しなど様々な施策が含まれます。

生活を支えるインフラ施設の機能は今後も維持し続ける必要があります。限られた財源の下、インフラ施設を適切に管理するために、計画的な管理を実施することの重要性が高まっており、今後、他の自治体で同様の取り組みが増えていくことが予測されます。

参考文献
・府中市インフラマネジメント白書
・府中市インフラマネジメント計画

(2015年11月16日 初稿)

English

Infrastructure management plan

定義

道路、河川、港湾、下水道施設等の社会基盤施設(インフラ施設)全体を適切に管理・運営していくための行政計画。施設の老朽化や財政の逼迫から、これまでの管理・運営方法を続けていくとインフラ施設の維持が困難になるとの判断のもと、自治体が保有する全てのインフラ施設を総合的かつ分野横断的な視点で管理・運営する「インフラマネジメント」を推進する計画として、一部の自治体で策定が進んでいます。